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大会テーマ「安心・安全に暮らし続けるための絆づくり」
~笑顔で暮らせる地域の絆づくりが提案される~ |
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平成29年度全道町内会活動研究大会が、去る5月23日、札幌市かでる2.7において、道内各地より309名の参加を得て、開催されました。
大会は、表彰、基調説明、講演の内容で行われました。講演は、落語家・手話落語家の林家とんでん平 氏を講師に招き、「誰もが安心して暮らせるまちづくり~全国47都道府県を行脚して~」をテーマにお話いただきました。
大会席上、北海道町内会連合会表彰式が執り行われ、16組織84名の方々が表彰を受け、受賞者を代表して、羅臼町の宮腰實さんが謝辞を述べられました。
講演「誰もが安心して暮らせるまちづくり~全国47都道府県を行脚して~」
講師 林家 とんでん平 氏(落語家・手話落語家) |
私は小樽市の出身です。若い頃、落語家を志し、林家三平師匠に入門するために、リヤカーを引いて東京まで行きました。入門後は、東京から沖縄までの落語行脚などで、いろんな人に会い、いろんなまちで落語をしてきました。人は、想像することで脳が活性化され、笑うことで健康になると言われています。ぜひ、落語を聞いてその世界を想像し、たくさん笑って健康を保ちましょう。
あるまちの落語の寄席で、会場のほとんどの方は楽しんでいる様子でしたが、一番前の数人はただ見ているだけで、いくら一生懸命やっても最後まで笑いません。ショックを受けて係の人に尋ねたら、耳の不自由な方でした。それをきっかけに、障がいのある方も一緒に笑ってもらえるように、声と手話を使った落語、「手話落語」を始めました。手話落語を観てくれた耳の不自由な方は、「家族は落語を聞いて笑っていたけど、自分だけはわからなかった。これで落語の楽しさがわかりました」と言って、涙を流して喜んでくれました。私は、障がい者も健常者も一緒の場所で楽しい時間を共有できたことが嬉しかったです。
リヤカーで本州一周四千キロを旅したときは、車いすの方がどんな生活をしているのかを想像して歩いてみました。歩道は、段差があるうえに幅がせまく、日本の道路は車のための道路だと実感しました。駅の車いす用のトイレでは、足元の段差が多く、車いすの方が実際には使えないものもありました。そうした経験を踏まえ、福祉を内側から変えていきたいとの想いで、札幌市の議会議員を12年間務めてきました。
昨年、47都道府県を落語行脚してきました。東日本大震災で被災された12万人以上の方が、未だに家族や友人と別れて全国各地で避難生活を送っています。三陸地方を歩いていると、津波の被害にあったところはまだ建物が何もない。建設業者の方にお会いしたら「一生懸命やっていますが、まだまだ復興途中のこの現状を全国に伝えてほしい」と言われました。また、昨年、地震があった熊本もブルーシートだらけで大変な状況でした。被災者の方にも落語を聞いて少しでも笑ってもらいたいとの想いで全国をまわってきました。
このように全国をまわって少し見えたことがあります。私たちは今まで、あまり構わないでくれよと、一人ひとり、いわゆる「個」を大事にしてきました。しかし、特に災害時は助け合いが必要ですから、日ごろから住民同士の関わり合いが大事なことを多くの方が理解してきています。昨年の落語行脚では、地域の子ども達がたくさん会場に来て、一番前に座ってくれるようになりました。今までよりも、人と人とのつながりが大切にされるように変わってきた気がします。
熊本地震の後、仮設住宅の集会所でお会いしたおばあさんが「私、ここに引っ越してきてよかった。隣の音が聞こえるのがとても安心できる」と言っていました。今までは隣の生活音はうるさいとされていましたが、このように感じている方も増えています。住民が日ごろから集い交流することはとても大切です。住民が集う機会が多いまちづくりを町内会ですすめていただければと思っています。
さて、これから、私の落語で笑い、さらに健康になっていただければと思います。
(文責 事務局)
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講演の後は、楽しい落語と手話落語を披露いただきました。 |
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