平成12年度町内会活動実践者研修会は、8月2日、札幌市において、道内20市区町村から約50名の参加で実施されました。

 シリーズ初回は手作り広報紙
 本研修会は、昨年までの女性実践者研修会を発展、男女の区別なく各種活動の実務研修会に位置付け、町内会活動実践者研修会としてシリーズで実施することとなり、初年度は、住民と町内会をつなぐ広報紙づくりに取組みました。
 当日は(株)電通北海道クリエーティブ局の成田さんを講師に迎え、「こころに届く広報活動」の講義を受けました。その後、演習では10グループにわかれ広報紙作りに取組み、講師からの講評を受けました。



講義 こころに届く広報活動
講師 成田正人氏 (株)電通北海道クリエーティブ局
 十数年前から道の『広報誌ほっかいどう』制作を担当しています。多くが町内会を通して各家庭に配布され、他県にはない北海道の配布システムは、非常に重要だと思っています。

3つの広報スタイル
 広報誌のスタイルは、町内会の予算や事業等を伝える「政策広報」、お祭りやゴミ収集等の「お知らせ広報」、アンケートなど参加を得るための「コミュニケーション広報」があげられ、町内会では「コミュニケーション広報」が大切だと思います。

文章表現につい
 文章は、重要なことを頭に書く「逆三角形記述方式」、「5W1H・いつ、誰が、どこで、何を、なぜ、どのように」の表現が重要です。タイトルに工夫を凝らし、簡潔に内容が一目でわかる見出しをつけます。名文より、わかりやすい文章表現で、長い文章には小見出し・中見出しをつけ、新語、カタカナ語には※印で用語解説をします。一方的ではなく会員の意見を載せることも重要です。

デザインについて
 どんな広報誌を出すか、企画、構成に一番時間をかけてほしいです。まず、小さいレイアウトを作り、年何回か発行する場合、ひとつの型を決めてしまいます。また、ページ数が多いと読みにくいので、空きを作り、ひと目でわかる表やグラフ、イラストを多用します。 どこから読んでもらいたいかにより、大・中・小でレイアウトしたり、文字の太・細等でメリハリをつけます。大きいスペースと小さいスペースでレイアウトするのも一つの方法です。内容を伝えるには、100文字よりも、1枚の写真です。

地域の連帯と広報の重要性
 地域連帯のために広報活動は重要です。手書きの広報も決して見劣りはしません。お金をかけるのではなく中身で勝負してほしいと思います。皆さんの地域で良い人材を見つけて広報活動を続けてほしいと願います。 (文責:事務局)

作品講評
講師 成田正人氏
 3時間で作成出来るのかと少し心配でしたが、限られた時間内でよく作成されたと思います。本研修会のように初対面の方々が各々の立場で話し合いながら一つのものを仕上げる機会はめったにないのではないでしょうか。文章を書いたりレイアウトをしたり分担しながら作成する様子を見ていて、何かしら経験を積まれたことと思います。今回の皆さんの経験を各地域に持ち帰り役立てていただき、是非立派な広報活動をしていただきたいと思います。

【9グループ『あかり』
 タイトルが紙面の真上にあり、“敬老”を中心に作られていて、縦使いで記事が横書きで作成されています。タイトルまわりに工夫をしていて書体に変化をつけたり、囲みをしてみたり、イラストを載せてみたり、変化と工夫が見て取れます。
 各々の記事を張ってまとめたのだと思うが、このまま広報として使ってもビジュアル的な変化があるので十分通用するのではないでしょうか。




【10グループ『なんもさ』】
 北海道弁「なんもさ」という言葉をタイトルに使ったのは、なかなか親しみが持てて良いと思います。各メンバーの地域を北海道地図で示し、地域の話題を載せています。良い記念になったのではないでしょうか。このように段組に関係なく記事を書いて、それを囲んだりして変化をもたせることは、へたに写植で作成するよりも親しみが持てて良いのではないかと思います。タイトル「なんもさ」という文字も手書きで味わいがあって非常にすばらしいと思います。