平成14年度全道町内会活動研究大会は平成14年6月10日、札幌市かでる2.7において、道内各地より約250名の参集を得て開催されました。
 大会に先立ち、北海道町内会連合会長表彰式が行われ、36組織、61名の方々が町内会活動の功績に対して表彰を受けられました。
 研究大会は、基調説明、講演の内容で行われ、講演は、コピーライターとして、紋別市のガリンコ号の名づけ親で、まちづくりプランナーの伊東徹秀氏を講師に招き、「行くぞ!北海道のヒューマンパワー」と題して、まちづくり・地域おこしについてお話いただきました。
 以下、概要をご紹介します。


講演「行くぞ!北海道のヒューマンパワー」
講師 伊東徹秀氏(まちづくりプランナー)

 これまで北海道と沖縄は国という親からの仕送りを当然のことと思って、受けてきました。しかし、国からの仕送りである地方交付税が減って、これからは自力で他の県なみに生きていかなければならないのです。沖縄の収入源は、公共事業、観光、米軍基地で、北海道の収入源は、公共事業、観光、食糧と言えます。2000年元旦の朝日新聞に掲載した「北海道太郎の通信簿」という話をします。北海道という地域社会を北海道太郎という人間に例えてみると、どの授業が一番得意だろう。算数は苦手、人がいいからです。関西人は得意です。理科も社会も国語も苦手。ところが、北海道太郎は身体が大きい。面積があるんです。休み時間、体育の時間には犬ぞり、熱気球、スキー何でもできて、元気になる。もう一つは給食の時間です。問題は、食糧はとれるが、高く売れないと言うことです。さらに、もう一つは、放課後です。人間には余裕とかゆとりとか、今までにないライフスタイルで生きてみたいという欲望があります。今は、定年退職後に北海道に住みたいという人もいます。下川町や美瑛町では町民誘致をしています。言い換えると、日本の給食、休み時間、体育、放課後は北海道の得意分野であり、私たちは新しい北海道の魅力、生きていく手だてを考えていかなければならないのです。北海道には様々な価値があります。「北海道の6月は天国の隣」という言葉もあり、様々な良さを発見して北海道のプライドに、産業にして、次世代の仕事にしなければならないのです。全道一括りにしてしまうのではなく、多元的な地域特性を考えてみてほしい。子ども達に北海道の良さを伝えていくために、私たちの地域社会とは何かを今一度考えてみてほしい。北海道型の他の都道府県とは違った助け合いの概念がきっとあるはずです。