平成15年度ブロック別町内会活動研究大会が、下表のとおり開催されました。
 研究大会は、道町連からの説明、次に、旭川大学経済学部教授の川村喜芳氏(道央・道南・道東)と、北海学園大学法学部教授の横山純一氏(道北)を講師に招き「市町村合併と住民主体のまちづくり」と題しての講演、その後、テーマ別の分科会協議、最後に、分科会報告の内容で行われました。


ブロック
開催日
開催地
講演講師・分科会助言者
参加対象地域
参加者
道 央
10月22日 札幌市 旭川大学経済学部教授
川村喜芳氏
石狩/空知/
後志 /日高
83名
道 南
10月2日〜3日 函館市 旭川大学経済学部教授
川村喜芳氏
渡島/桧山/胆振
243名
道 東
9月25日〜26日 帯広市 旭川大学経済学部教授
川村喜芳氏
網走/十勝/
根室/釧路
275名
道 北
10月10日〜11日 美深町 北海学園大学法学部教授
横山純一氏
上川/宗谷/留萌
154名



第1分科会  テーマ「見守り・たすけあい活動について考える」

見守り・たすけあい活動に決まった形はない
道央ブロック
 民生委員児童委員との連携により、高齢者マップや名簿を作成して、実態を把握のうえ、声かけ訪問や除雪活動により安否確認を行っている事例があげられ、その際の人間関係づくりの大切さがあげられました。
 一方、名簿作成にあたり、行政からの情報提供が得られない等、守秘義務の問題もあげられました。
 各地の活動事例の中から、除雪活動の協力体制や費用について、活発な情報交換が行われ、特に、都市部では近隣にお願いすることへの抵抗感についても話題になりました。さらに、高齢者の技能や特技を活かしたお手玉名人などの「生涯学習ボランティア」を募集し、高齢者の実践の場を作っている事例も報告され、見守り・たすけあい活動に、決まった形はなく、地域性もあって、心のこもった活動が展開されていることが大事ではないかとの意見がありました。

地域の中で時間をかけた話し合いが大事
道南ブロック
 実践報告として、まず、函館市湯の川2丁目町会の染木会長から、ひとり暮らしの高齢者への対応として在宅福祉委員を委嘱し、声かけや昼食会を開催。町会だよりの発行や在宅介護の研修会等は、全会員を対象に実施し、住民の意識啓発を図り、「やれることからやる」という気持ちを大切に、市福祉部、社協、保健所、老人クラブとの連携を図りながら活動しているとの報告がありました。
 その後の協議では、ヤクルト配達員の協力によるひとり暮らしの高齢者の安否確認、緊急時のための災害ハザードマップの作成、緊急通報システム設置の推進等、各地の事例が紹介されました。また、敬老会の開催にあたり、対象者増による財源不足や担い手の問題があがり、経費や手間を軽減しながら工夫して実践する事例が報告されました。さらに、プライバシーの問題で壁にぶつかることが多く、地域の中で時間をかけて話し合い、協力し合うことが重要との意見がありました。

ネットワークと向う三軒両隣りの支えあいを
道東ブロック
 活動のための組織体制として、各市町村の単位町内会や連合会での福祉部の設置状況が報告されました。一方、様々なニーズ把握には、ひとり暮らしの方々とのふれあいが前提で、福祉カード作成にあたり、行政・民生委員児童委員・社協からの情報提供の難しさがあげられ、守秘義務に関する苦労談が交わされました。さらに、見守りチームを設置して、研修会を重ねながら周知し、現在では海外の介護事情も学んでいるとの事例。また、岩手県や秋田県の視察研修から、連合町内会の主管事業として、地域福祉ネットワークを立ちあげ、本人の了解のもと支援福祉カードを作成。その際、情報の記載の他、ネットワーク利用の可否を確認しているとの事例。また、地域の方々が何を望み、町内会として今できることは何かということで、介護保険や救急救命学習会の実施事例があげられました。さらに、ネットワークも大事だが向う三軒両隣りの近隣の支えあいも忘れないでほしいとの意見が出されました。

安否確認にインターネットを利用
道北ブロック
 実態把握のための福祉マップや台帳の作成にあたり、プライバシーの問題があげられ、年数をかけて会長自ら声かけ調査した事例、転勤が多く把握がむずかしい等の事例があげられ、民生委員児童委員活動との連携の重要性が確認されました。さらに、各地の敬老会の開催状況について、毎年対象者が増加する中、年齢の引き上げ、経費の工夫、廃止して商品券を配付するなどの事例が交換されました。また、見守り・緊急時のネットワークについて、ボランティアによる電話での安否確認、首からさげる安心コールの事例、社協がボランティアを委嘱して安否確認する等の事例が報告されました。さらに、富良野市社協の事業として、ひとり暮らしの高齢者宅にインターネット電話機を設置し、簡単なメール機能を使った毎朝の安否確認、買い物などの要望を受けるシステムを全国初で導入。高校生を含む登録ボランティアの協力により実施されている状況が紹介されました。

第2分科会  テーマ「ゴミ減量、リサイクル活動について考える」

有料化はゴミ減量につながる
道央ブロック/札幌市・平成15年10月22日
 ゴミステーションの設置・管理、分別収集の実施にあたり、各地域で苦慮している実態が明らかにされました。課題の中には、環境部の役員が1年交代のため徹底されない問題、ステーションの冬場の設置問題、町内会未加入者のマナー違反の問題等があげられました。
 さらに、大きな問題となっている不法投棄の対策として、町内会推薦の腕章をつけた監視員による啓発や看板の設置が効果的で、地域全体の目が大事という声もあげられました。
 次に、ゴミの有料化について、住民の反対が多いが、将来的にはゴミ減量につながるという意見、また、有料化により、実際にゴミが減量した事例も報告されました。さらに、資源回収、分別の徹底も積極的に進められている事例が多く、自治会で分別用カレンダー作成や、婦人部の牛乳パックを利用したイス作りも紹介されました。また、燃やせるゴミの3割はリサイクルに回せるとの報告もありました。

再生紙使ってこそはじめてリサイクル
道南ブロック/函館市・平成15年10月2〜3日
 はじめに、函館市東山町会の渡辺会長から、以前、資源回収の益金により3年計画で会館建設を実現し、14年度よりゴミ減量を目的に資源回収を再開。実施に至るまで反発もあり、苦労したが、時間をかけて会員、業者を説得し理解を得、結果、初年度の収益は約65万円、今年度は85万円の見込み。さらに、益金は会館の冷暖房機の設置やゴミ袋の無料配布で会員に還元される予定との実践報告がありました。
 その後の協議では、資源回収、ゴミの分別状況について、各地の事例が紹介され、中には3年間でゴミ総量の40%減を達成した事例も紹介されました。また、分別の徹底にあたり、クリーンリーダーによるゴミの中身の点検、巡回指導が好評との事例、婦人部によるペットボトルの分別洗浄、さらに、市営住宅を対象にした分別収集講座や小学校と連携したゴミ拾いの実施でモラルの向上を図っている等の事例も紹介されました。一方、リサイクル商品が数多く出回る中、身近な再生紙トイレットペーパーなどは使用頻度が非常に低いことから、使ってこそはじめてリサイクルなのではとの意見もありました。

分別収集の徹底のため、時には分別のやり直しを
道北ブロック/美深町・平成15年10月10〜11日
 ゴミ減量化の取組みは、同一市町村でも町内会や班毎に対応が様々で、取組みに苦慮している実態が明らかにされました。ステーション設置の地域では、町外者による未分別の無断投棄等が後を絶たず、ステーションの施錠により部外者の利用を禁じたり、ステーションの廃止事例等があげられました。分別の徹底では、ゴミ袋への世帯名か指定ナンバーの記入を定め、異物混入の場合は分別のやリ直しをお願いして、理解を得ている事例。町内会役員の責任で巡回指導する市町村が多いなかで、町内会衛生部と行政の担当者とでゴミステーションを巡回し、分別の間題点把握に努める事例もありました。さらに、分別一覧表や指定日にパンフレットを各戸配布して周知・徹底を図っている事例。ゴミ減量対策として、有料化した事例や買物袋を持参するマイパック運動、専用客器によるステーションでの生ゴミ回収事例があげられました。まとめとして、町内会の役割も分別収集の徹底に比例して増大してきた。住民意識の啓発、地域住民と行政が一体となった取リ組みの重要性が確認されました。

正しい分別が一番のゴミ減量
道東ブロック/帯広市・平成15年9月25〜26日
 きちんとした分別が一番のゴミ減量との意見のもと、各市町村の分別収集、資源回収、ゴミ有料化の状況が情報交換され、ゴミ減量の成果が報告されました。また、生ゴミの分別では、全町の自治会でダンボール利用のコンポスト講習会を開催して成果をあげた事例、町が専用袋で回収・堆肥化し、農家に還元する事例があげられました。さらに、資源回収での奨励金や益金は町内会活動や街路灯の整備に活用、リサイクルセンターで資源を集約、売却され、益金は各自治会へ還元されている事例。さらに、分別徹底のため、町内会の取組みでは、ゴミ袋への名前の記入、自治会ゴミ推進員による指導、クリーンセンターへの視察、ゴミ便りの発行等の事例が報告され、行政では、ごみ分類冊子の作成・配布、出前講座の実施、買い物袋の斡旋等が報告されました。一方、町外からのキャンプ場利用者による近くのステーションへのゴミ投棄、幹線道路では運転手による吸殻・空缶などのポイ捨て、河川への家電製品の不法投棄、釣り人のマナーの悪さ等が数多くあげられました。また、町内会未加入者の対応、資源の保管場所確保等の問題も出されました。

第3分科会  テーマ「市町村合併と地域づくりについて考える」
 この分科会は、前段の講演「市町村合併と住民主体のまちづくり」の講師に助言者として同席いただき、協議が進められました。

まずは自助、次に互助、最後に公助の考え方が原則
道央ブロック
 参加者と助言者の川村喜芳氏とのQ&A方式により協議が進められました。
Q1 戦前の2級町村のような特例的団体制度とは?
A1 2級町村制は、知事が町村長を任命し、権限が制約されていました。特例的団体も同じように市町村の事務、財源が制限され、住民への対応が不十分となり、合併せざるを得なくなります。
Q2
法定協議会に参加して、途中で脱退した場合は問題にならないのか?
A2
法定協議会を立ち上げても協議が整わず、合併調印書に調印できない市町村が出ることはあり得ます。しかし、任意協議会で煮詰めて法定協議会を立ち上げたのなら、合併を大前提として臨むのがふさわしいと思います。
Q3
3町村が合併しても人口が1万人にも満たない場合はどうなるのか?
A3
平成17年3月までに合併した町村は、たとえ人口1万人に満たなくても特例的団体にするということで、罰則はないと思います。
Q4 道新で新得町と鹿追町が合併すると町が村になるとの報道があったが、どういうことか?
A4 市になる条件は法律で決められ、町村の条件は各都道府県の規則により定められています。具体的には、人口の何割が中心市街地に集中しているか、都市的な形態をとっているか等の細則があり、合併によって、その町としての要件を満たすかどうかで判断されます。なお、道では早急に規則を変える準備をしています。
Q5 行政から合併に関わる具体的な情報(メリット・デメリット)が示されないため、どう判断して良いのか判らない。行政職員は自分の職に関わるため、明白な情報を住民に示さないのでは?
A5 行政にしか資料は作れないし、一市でも作れない。複数の市町村で資料を出し合い腹を据えて合併を考えていかなければならない。合併した場合としない場合の資料を作り、住民に示して懇談会を開かなければなりません。
Q6 合併した場合、現在の行政職員は3割減となりうるのか?
A6 公務員の身分保証はされており、職員の欠員があっても新規採用しない形で削減されると考えます。すぐに職員を削減できないための財源として、今までどおりの交付税計算による10年の猶予期間があります。昭和30年代の合併のように周辺地域が寂れてしまう一極集中型(全ての仕事を本庁で集中管理する)ではなく、多極分散型(市町村がそれぞれの地域特性を生かして本庁となる)の合併が進むと、住民に身近な市町村で何でもできるように、権限や財源が増やされることになります。また、今後はNPO法人など民の力が増え、官に取って代っていく傾向が強まります。
Q7 現在、市町村からの補助金で運営している町内会は、合併により財政的に影響を受けるのか?
A7 合併により行政が広域化すればするほど、人と人との繋がりが薄くなります。だからこそ「地域自治組織」が必要であり、町内会の役割も大きくなります。町内会が役場の下請けになるのではなく、自助、互助、公助の考え方により、個人が問題にぶつかった場合、基本的には自分、次に家族、そして隣近所が解決にあたります。行政が出てくるのは最後の段階です。自分違の問題を解決するため、自分達が代表者を選出して市町村行政を作ったのだと考えると、出発点は自分にあるんだという原則を強くしていかなけれぱならないし、町内会はその原点となると考えます。

合併は避けて通れないが、自分達の地域は自分達の力で守りたい
道北ブロック
 まず、助言者の横山純一氏から参加者へ、町内会の合併、今後の行政と町内会のあり方についてどう考えるかとの問いかけに対し、参加者から、漁村と農村との相違もあり、合併したくないが、議会側が合併を推進。強制ということでなければ、みんなで力をあわせて合併したくない。また、厳しい財政の中、今後は分担の時代になるだろう。町内会同士の横の連携、ボランティアの浸透をいかに図っていくか課題。さらに、内心は合併に反対、しかし避けては通れず、自分たちの地域は自分たちの力で守っていきたいとの意見がありました。
 次に、参加者と助言者の横山純一氏とのQ&A方式により協議が進められました。

Q1 本市は合併の論議も任意協議会を立ち上げる動きもない。本市のような市町村は今後どうなるのか?
A1 市町村合併は自主的に行うのが本来の姿。今回の合併は、2005年3月に向けて政府が大号令をかけてきたもの。交付税が減るだけで、権利の剥奪は考えられません。
Q2
合併特例債のパイ(総額)が決まっているのに、全国の自治体が集中した場合どうなるのか?
A2
特例債は、交付税額、景気の動向、合併市町村数、地方債の額で決まるが、法定協議会へ移行して合併の方向にあるところは多くはない。多くなれば、特例債をあまり使わないように指導が来るのではないか。
Q3
財源の不透明さがシュミレーションによる住民説明を出来なくしているのでは?
A3
交付税の8割を占める経常経費部分は簡単に減額できません。地方自治体は、10年後の減少率を20%〜25%等ラフな数字でも出して説明すべきではないでしょうか。
Q4 合併しない町村にはどんなことが降りかかるのか?
A4 住民と行政が変わっていく議論をしたほうがいいと思います。「地域自治組織」の権限がどれほどか、地方制度調査会の中にいろいろな意見があります。本州では、任意協議会が立ち上がり2年程論議し、法定協議会で1年以上論議して合併にたどり着いています。北海道のような面積と市町村数をもつ県はありません。合併後の歪な姿が見え隠れする中、北海道には道州制と合併はなじみません。岩手県知事は、合併出来ない理由に岩手は広いからと言われました。もっと広い北海道は、広域連合を模索すべきだと思います。
町内会の合併も必要とされてきています。その論議の中で、共有できる部分がないのか。市町村合併と町内会の姿を考えるとき、盛んに活動する町内会とそうでない町内会の格差をどうするか。
行政と町内会の関係について、財政上の理由から町内会に委ねることは問題あり。内発的な町内会活動を大切に、また、NPO等各種団体と町内会との関わりをどう築いていくのか論議をしてほしい。

住民からの盛り上がりが大事
道南ブロック
 渡島管内では七飯町・鹿部町2町合併の法定協議会が9月22日に、函館市・戸井町・恵山町・椴法華村・南茅部町5市町村合併の法定協議会が9月29日に立ち上がり、上磯町・大野町においても合併を協議中です。こうした状況を踏まえ、はじめに、函館市町会連合会亀田地区協議会の竹林会長から、30年前の函館市と亀田市の合併当時の状況が報告されました。当時、函館市は、地理的に三方が海に囲まれ、市民のための施設建設用地の確保が困難な状況にありました。一方、亀田市は、函館市のベッドタウンとして人口が急増し、道路整備を始めとする環境、福祉、交通等、市民の身近な暮らしの面で行政の対応が後手に回っていました。両市の問題解消と市民生活の向上のため、合併に至ったとの報告でした。
 その後の意見交換では、町村合併により町内会連合会の合併の行方が心配だとの声。任意あるいは法定協議会が決定する前に住民の話し合いが先ではないか。行政からの様々な資料提供により各地域で懇談会が開催され、住民からの盛り上がりが大事ではないかとの意見。さらに、法定協議会が立ち上がったが、農業と漁業の町で合併後うまくやっていけるのか心配との声がありました。
 さらに、参加者と助言者の川村喜芳氏とのQ&A方式により協議が進められました。

Q1 「地域審議会」の権限は?
A1 「地域審議会」は平成11年の市町村合併特例法改正の中で新たに規定されました。合併後も住民の声が行政に反映されるよう、当時の自治省は5〜10年間の時限つきで合併前の旧町村単位での「地域審議会」の設置を規定しましたが、諮問機関で、議決機関ではありません。そのため、「地方制度調査会中間報告」では、議会に準ずる、公共的な組織として「地域自治組織」が提案されています。「地域自治組織」には行政区タイプと特別地方公共団体タイプの2つがありますが、小さな町の声が大きな町の多数の声に消されることのないよう、市長を中心に地域自治組織の長と議決機関の代表による「政策調整会議」を私は提案します。
Q2
「地方制度調査会」の答申で、1万人未満が明記されたならば、どうなるか?
A2
総務省は旧自治省時代から自主的合併論を繰り返してきましたが、自民党プロジェクトチームが強行手段をとっており、最後の最後までもつれると思います。だだ、1万人未満の自治体はかなり苦しくなるのは事実。その覚悟で臨んで欲しいと思います。

合併により町内会活動の役割大、議論の必要性あり
道東ブロック
 参加者の自由な意見交換と助言者の川村喜芳氏からの助言により協議が進められました。
 参加者から、昭和の大合併で町村が寂れてしまい、感情的なしこりを残してしまった経験から、平準化された合併を検討すべきで、住民側もしっかり勉強する必要があるとの意見。また、連合町内会の立場で法定協議会の委員に就任。住民へのデータ提供と住民参加の促進に努め、過去のしがらみに捉われない適正な判断が求められている。合併による住民負担増、サービス低化が懸念される中、任意協議会とは別に、自主・自立のまちづくりが検討されているとの報告がありました。
 合併と町内会活動との関係では、合併により町内会活動の役割が大きくなり、町内会組織の在り方も変化するだろうとの意見が多く、合併と同時に町内会活動の議論が必要で、民間団体との連携も重要になるだろうとの意見がありました。また、大規模町内会の分割を予定しているが、町内会の存在価値と合併の時期にあって、対応に苦慮しているとの報告もありました。
(川村喜芳氏からの助言・感想)
 国が示した合併パターンによると、市町村の数が減り県庁や北海道での支庁の必要性が疑問視されています。また、北海道と国とで重複する業務があり、こんなところから道州制の問題が生じています。合併の狙いは住民の身近な所に権限と財源を配分することにあります。昭和30年代の合併で周辺地域が寂れたというのは、何でも集めようとする大都市に責任があり、地域が寂れないためにはミニ政府としての「地域自治組織」が旧町村単位に必要で、権限も分けなければなりません。
 町内会の役割は、自主的な組織としてますます重要となります。行政の権限・予算と密接な関係を保つためにも行政がもっと町内会に入っていく必要を感じています。
 自治は単位が小さい方が機能的で、合併しないで済むならしない方が良く、人口が1万人以上なら無理をする必要はないと思います。
 町内会活動は自律的に活動すべきで、行政の下請け的になってはならなく、行政は町内会に対する情報公開と対話を徹底し、理解しあう事が重要だと思います。