道町連共済30周年記念平成25年度全道町内会活動研究大会が、去る5月28日、札幌市かでる2.7において、道内各地より約300名の参加を得て、開催されました。
 大会は、表彰、基調説明、講演の内容で行われました。講演は、鎌田敏氏(こころ元気研究所長)を講師に招き、「地域の絆、みんなの笑顔!〜まちづくりは、豊かな人間関係から」をテーマにお話いただきました。
 大会席上、北海道町内会連合会表彰と道町連共済30周年記念特別感謝の表彰式が執り行われ、53組織100名の方々が表彰を受けられ、受賞者を代表して、標茶町の舘定宣さんが謝辞を述べられました。
 以下、講演の概要をご紹介します。


▲大会の開会挨拶 ▲来賓挨拶をいただいた  高橋はるみ北海道知事  ▲表彰式


講演 「地域の絆、みんなの笑顔!〜まちづくりは、豊かな人間関係から」
講師 鎌田敏氏(こころ元気配達人・こころ元気研究所長)
   ▲  講師の鎌田 敏 氏
●気分は空気感染する

 

 初めに脳のリフレッシュとして、「ひとりジャンケン」をやってみましょう。自分の右手が自分の左手に勝つルールで、グー・チョキ・パーを入れ替えて3回続けます。次に、左手が右手に勝つルールでもやってみてください。このように、意識して指先を動かすと、脳に良い刺激がいって脳細胞が活性化されます。もう一つ、「セブンジャンケン」をやりましょう。2人でジャンケンをして、自分と相手の指の数を足して、7になったら握手というルールです。7になったら、相手を変えてやってみてください。このように、みんなでジャンケンをワイワイやった後は、会場の空気がぬくもりを帯びてきます。人の心や気分は、インフルエンザのように空気感染します。一人ひとりの笑顔や挨拶等の積み重ねが、良い空気をつくっていきます。

●ありがとうの気持ちを分かち合う

 

 自分が行ったことに「ありがとう」と感謝の言葉が返ってきたら嬉しくなります。だから、自分からも相手に「ありがとう」と返して嬉しさを分かち合いましょう。また、話を聴いてあげることも良いと思います。人に悩みを話すことは、心の中に抱えていた悩みを手放すことにつながっていきます。地域での活動の中で、「ありがとう」や「頑張ってるね」、「良かったね」などと共に喜んで言ってあげられることこそが、本当の豊かな心だと思います。

●コミュニケーションはキャッチボール

 

 コミュニケーションは挨拶から始まります。挨と拶どちらの漢字も「心を開く」という意味があるそうです。「おはよう」と言われたら、「おはよう」と返す。このようなキャッチボールをすることで、お互いのことを分かり合えて、絆が深まっていきます。まちづくりの方向性を考える場などで、誰かが「このようにやる」と言っても、受け手側に色々な受けとめ方をされることがあります。しかし、キャッチボール、つまり対話をしていくうちに、だんだんお互いに分かり合える部分が出てきます。


●対話をはずませるには共通点を見つける

 

 この対話を皆さんにもやっていただきます。先攻の人は聴き手です。「きく」は2種類あり、聞くはHear、聴くはListenToです。「聴く」は心という字が入っていて、耳辺に十四の心で受けとめる意味だと言う人もいます。話を聴く時に、一番大切なのは、頷くという行為です。頷くだけでも「あなたのことを受けとめている」というメッセージになります。次に、後攻の人は話し手となって「趣味・ストレス解消法」について話してください。聴き手の方は、相槌を打ちながら聴いてください。ルールはひとつだけで、絶対に相手の話を批判、否定しないことです。人は、欠点探しが上手ですが、大切なのは良いところ探しです。仲間の良いところ、地域の良いところに目を向けてください。まちづくりで対話はとても大切です。いろんな価値観と触れ合うことで、私たちの視野が広がります。また、共通点があると話がはずみますから、家庭でも地域でも共通点探しは大切です。話をはずませるポイントとして、1つ目は自分をオープンにすること。2つ目は相手に関心を持つことです。相手に関心をもっているから、相手の話を聴こうとしますし、相手に質問をするようになります。

●無関心と無縁社会

 

 マザー・テレサが「愛の反対は憎しみではなく、無関心です」と言いました。人間は第一印象で「この人とは付き合いにくいな」と思うこともありますが、コミュニケーションをとっていくうちに、少しずつ分かり合えることもあります。「なんか嫌だな」と思っていることは、この人に対してまだ関心があるのです。でも、無関心ということは、もうこの人の存在すら関係ないということです。近年、無縁社会といわれて問題になっていますが、孤独死が多発しているのは、地域や隣人、家族等に対して、みんなが「無関心」になった結果なのかと淋しくなります。去年、岐阜県可児市が、子どものいじめの防止に関する条例を制定しました。学校や保護者、市民全員がいじめを見つけたらきちんと通報してくださいという条例です。つまり、無関心はいけないということです。また、まちづくりにおいても「俺には関係ない」と、住民が無関心なら町は一向に良くなりません。一人ひとりが地域や人に関心を持つことが出発点だと思います。

●人と人とのつながりが心を元気で健康にする

 

 カウンセリングの神様といわれるロジャースが、「この世の中は辛くて厳しいが、自分のことを理解してくれる人、自分の話を最後まで受けとめてくれる人が、たった一人でもいれば、明日からまた頑張っていけるものだ」と言いました。辛い時でも、褒められたり、感謝されたり、ねぎらいの言葉をかけられるだけでも、元気になります。このように人と人とのつながりが心を元気で健康にします。始まりは、やはり挨拶と対話のキャッチボールだと思います。

●組織の成長につながる積小為大

 

 二宮金次郎の教えで「積小為大」という言葉があります。小さなことの積み重ねが、やがて大きくなり、良い結果につながっていく。全ては小さなことの積み重ねという教えです。空気づくりにおいても、一人ひとりの元気な挨拶や笑顔、感謝の言葉等の積み重ねで、とても素敵な空気になります。まちづくりや組織の成長にも、この教えは当てはまると思います。

●歩くことの大切さ  

 

心をコントロールしようとしても難しい時がありますが、身体を動かすことはできます。昔から「心身一如」といいますが、心がイライラしていたら表情がこわばり、血圧が上がります。そういう時に、早歩きで歩いてみる。掃除してみる。大きな声で挨拶してみる。それだけでも心のスイッチが切り替わるかもしれません。身体がダラーンとしていたら、心もダラーンとしてきます。ですから、時々姿勢を正してみましょう。姿勢という漢字は、姿の勢と書きます。姿を正すと心に勢いがつきます。人間は知らないうちにストレスがかかって、筋肉が硬くなっていきます。「心身一如」のとおり、身体をほぐすと心もほぐれてきます。ですから、散歩やストレッチ等で、硬くなった筋肉をほぐすといいですね。歩くことで足の裏が刺激を受け、血液の循環が良くなります。気血という言葉のとおり、血の巡りとやる気、元気は密接につながっています。もう一つ、足が満たされて満足と書きます。足を使っていないと、不足、不満足になるので、足を使って歩くことは大切なのです。

●達磨大師の健康法はリズム運動

 

 達磨大師という僧侶が残したお経に両手振り運動のことが書いてあったそうです。起立して両手をリズム良く前後に振る。これだけで、血行が少し良くなります。リズム運動をしていると、心の健康に関わりが深いセロトニンという物質が、脳にバランス良く出てきます。歩行や呼吸もリズム運動です。また、太陽の光をよく浴びないといけません。歩かず、太陽の光を浴びなければ、更にセロトニンが減少し、ますます外に出ないという悪循環になります。だから、閉じこもりがちになったら、少し外に出て、太陽の光を浴びて身体を動かしてみましょう。

●息を吐くことが大事

 

 「息」という漢字は、自らの心と書きます。呼吸の「呼」は点呼の呼で、息を吐くことです。息を吐くことのほうが吸うことよりも大切ですが、ストレスで身体が硬くなると、きちんと息が吐けません。長く息を吐くと、リラックスする神経、副交感神経が優位になります。脈も落ち着いて、血圧も下がります。また、ため息は悪いことではありません。知らないうちにストレスを感じて、身体が硬くなっているから、息を抜きなさいという身体からのメッセージなのです。

●一笑一若で地域を元気に

 

 「笑う門には福きたる」といいますが、笑顔で表情筋を緩めるだけでも身体に良く、声を出すことはストレス解消にもなり、心肺機能を高めます。また、「一怒一老」という言葉のとおり、人間は一回怒ると一回老けるといわれます。怒りは、血圧を上げて、表情や態度に表れますから、コミュニケーションにとっても良くありません。人の身体は約60兆の細胞で出来上がった組織体です。また、地域、家庭、職場も人が集まった組織体です。もし、地域がイライラしていると、どんどん地域が老けて元気がなくなります。一方で「一笑一若」という言葉は、人間一回笑ったら一回若返るといわれます。笑顔はコミュニケーションにとって良いものです。笑顔が一番空気感染しやすいので、笑顔を忘れずにいると、その組織も若々しくなります。笑顔は、相手の心まで明るくしてくれます。地域でご尽力されている皆さんにも、「笑顔配達人」という肩書きを付けていただいて、それぞれの地域や様々な場で、笑顔の輪をどんどん広げて、素敵な空気をつくっていただきたいと願っています。

(文責 事務局)